あの娘が新幹線で帰った。
見えなくなるまで、何度も何度も手を振った。何回も何回も振り向いてくれて、俺は手を振った。
同じような、恋人がいて、一緒にクリスマスを過ごした恋人たちが、改札口で抱き合ってた。
遠距離恋愛してるんだぁー。この時が一番辛いよね、頑張ってね、皆んな距離を超えて幸せなってくれ!
俺も何度も抱きした。この手を離したらもう二度と会えない気がしたから。
あの娘は俺にキスをして、俺の手を振り払った。
大好きだよ。バイバイ、またね。
俺も大好きだよって、、つぶやいた。
次はあるのかな??
バイバイよりも、"またね"のほうがなんか辛い。
すごく、胸が締め付けられた。
家に帰ると、あの娘の香水が置いてあった。
クリスマスプレゼントは要らないから、私物が欲しいと、頼んだんだ。
離れてても、寂しくないように、、
俺は香水を空中にワンプッシュした。
あの娘の匂いがする。今日ずっと感じてた匂いだ。
昼間はあの娘の、笑い声と俺の名前を呼ぶ音で賑やかだったのに、、
今は、静寂がうるさい。
タバコを吸ったら、耳鳴りがした。
この、耳鳴りすら、恋しい。この耳鳴りがずっと続けばいいのになと、耳鳴りが俺を包んでくれた。
会いたい、君に会いたい意外の言葉がみつからない。
俺たちに、未来がないことをあの娘は丁寧に説明してくれた。納得したし、それでも、あの娘が俺のことを、好きって気持ちは本物だと感じた。
分かってるよ。俺も離婚してるし、好きとか愛だけじゃ、乗り越えられないことがあることなんて、
だからこそ、今の君が恋しくて仕方ない。
別れは本当に嫌いだ。これだけは何度経験しても慣れない、慣れたくない。
きっとあの娘は俺の側から急に消えてしまうだろう。
考えただけでも、悲しくて悲しくて、苦しい。胸が張り裂けそうになる。
俺は君にとって過去の人になって、思い出は美化されるか、主観が入り、やがて作られた過去になる。
二人の思い出なのに、二人から忘れさられて、この思い出と想いはどこにいけばいいのかな?なんて名前をつけてあげればいいの?
この素敵な今の感情と想いを俺は箱に入れて、いつか開けたいと思うんだ。
こんな素敵な思い出が消えてなくなるんて、そんなこと俺はさせなよ。
人間は忘れていく生き物だから、生きられるってベンジーもいってたよね?
でもね。俺は君のことは忘れたくないんだ。
君を悲しませたくないから、俺は笑っているよ。ずっと、笑ってるから。側にいてほしんだ。
もし、この関係が続いたとしても、
今日という素敵な時間と気持ちは二度とないんだな。
多分、それを二人とも気づいてしまったんだよね。
だからね。また会えたとしても、俺は悲しい。
切ない。何で出会ってしまったのかな。
何で俺をみつけたのさ。
離婚して、無気力になって、断捨離しはじめて、いよいよ、死ぬ気でいたんだよ。
大好きな、ライブにいっても何も感じなくなった。
だけど、あの娘が現れてから、モノクロだった景色に少しづつ色がつきはじめて、
音楽も聴こえるようになったんだ。
今では、妖精の声だって聴こえるさ。いや、空に触れることだってできる。
それなのに、、俺たちに明日がないなんて。
ただの通過点にしたくない。されたくない。
でも、こんな気持ちも抱えたままだったら、あの娘に負担がかかるから、
俺は笑ってるよ。大丈夫だから。
何も心配しないでいいから、また会いたい。