お母さん!!ゴジラvsメカゴジラがみたい!!ゴジラがみたいの!!ゴジラ!!映画館に連れて行って。お母さん!!
当時、小2だった俺はお母さんに抱きついて、泣きながら、駄々をこねて、お母さんの腹を何故か噛んで、ピンタされた。
ある日、親父が2週間ぶりに帰ってきて、ゴジラを見に行くことになった。
俺は何故かビオランテの人形を空中に掲げて!
おーおーおー!!!と雄叫びをあげた。
親父が迎えにきて、関内、馬車道の映画館へ、
来場者特典のゴジラの人形をもらい、当然、親父のももらい、俺は映画が始まるまで、
その人形で遊んでた。
日本もこれで終わりだぜ!ゴジラよ!放射能で日本を焼き尽くせ!!がぉぉーー!
子供の想像力っておそろしいよね。
映画が始まると、俺はスクリーンに見入ってしまい、親父の存在すら忘れてた。
親父が話しかけてきたけど、俺は。
うんうん!と言って流した。
映画も終盤、、気がつくと、となりにいたはずの親父がいない。
お父さん??お父さんどこ??俺は、席を離れてお父さんを探した。
トイレにもロビーにもいない、ロビーには次回公演の客が並んでる。
中に戻ると、俺は泣いた。
自分の席が分からない。ってかここで合ってるの?
映画はもうエンドロールが流れてた。
お父さんがいない、お父さんがいない。
あっ?俺は捨てられたのか??
このまま、俺は孤児として政府に引き取られて、傭兵として育てられて、売り飛ばされるんだと、勝手に想像して
大号泣した、、
サヨナラ、お母さん、姉ちゃん、妹、スーパーファミコンのソフトたちよ。
俺は海外に売り飛ばされるんだ。
俺は泣いた、泣き叫んだ。何故か誰も助けてくれない。いや、話しかけられたのかもしれないけど、見えなかったのかもしれない。
すると、スーツを着たおじさんが現れて、
ミツ、、お父さんは仕事で会社に戻ったから、お兄さんが家までおくるからね。お腹は空いてない??
あー、まじ終わった。政府の役人だわ!この人、政府の人だわ。
俺は、失われた子供計画、通称、MOON CHILD計画に連れていかれるんだ。
俺はこれから、番号で呼ばれるんだろう。
明日から毎日、頭に変な装置をつけられて、注射打たれる、訓練の日々が始まるのか、、
俺は、腹をくくり、その人の車に乗った。
さっきまで晴れてたのに、雨が降っていた。
泣き疲れた俺は車で寝て、気がついたら部屋のソファーで寝てた。
これは夢か??
大人になって知ったが、あの時、親父はキャバクラの同伴出勤のために、俺を映画館に置き去りにして、部下を寄越したらしい、、それが後の内縁の妻?隠し子の母親??
なんて、最低な親父なんだ。もうね、俺はあのまま、MOON CHILD計画に参加して傭兵になって、テロ組織でも作ってればよかったぜ。
あの体験と恐怖は大人になった今でも思い出すわ。
ってかMOON CHILD計画ってなんだよ!
作戦コードは、裸の太陽、またの名をescape