その日も俺は車で大阪に向かっていた、、まだ余裕で寒い3月だった、、東名を抜けた。
よし!今回は新名神で行くか、、、
横浜から刈谷インターまでいつもノンストップで行く静岡さえ抜ければこっちのもんだ!!
刈谷インターにある観覧車を観ながら俺はタバコに火をつけた、、、スタバでコーヒーを頼み外を眺める、家族連れに、学生、トラックの運転手、皆んなどこへ行くのかな、、
急に雨が降り出してきた、、大粒の雨、なんのアトラクションも動いてない長島スパーランドが悲しく見えた、、、
この区間が一番好きだ、、俺だけの道路、俺だけの直線、、俺は目をつぶりアクセルを全開に踏んだ、、余裕で死ねる、、、もちろんそれ以上はしないけど、、あの感覚は不思議だった。
無心で走る、、音楽はかけてるけど、、頭には入ってこない、、たしかthe HIATUS を聴いてと思う、、
名阪国道は高速道路なみに広い、、雄大な山々が俺を迎えてくれた、、
京都につくころにはもう日も暮れて、混雑していた、、東大阪のインターで車を止めて、歯を磨き 軽食をとって買っておいたビールを飲み、俺は寝た、、
俺は知ってた、、分かってた、、気づかないフリをしていた、、俺はもう彼女をあの時には愛していなかった、、いや、あの感覚が思い出せないだけなのかもしれない、、
俺はきっと、彼女との丁度いい距離を愛してただけなのかもしれない、、500キロの距離を、、遠距離恋愛して毎月、車で大阪へ行ってる自分に酔ってただけなのかもしれない、、
本当はもうとっくに終わっていたのかもしれない、、
次はいつ会える??来月かな、、
そんなに毎月来なくてもいいよ。運転心配だし、休みだって取れないでしょ?
大丈夫だよ。会いたいからいくよ、、
彼女はクシャクシャになって笑った。
バックミラーに映る彼女、、彼女はずっとずっと俺に手を振ってくれてた、、もういないだろう、、バックミラーを見る彼女は手を振ってくれてた、、
そんな彼女を俺は愛してなかった、、もう終わってたんだ、、
いや、分からない、、思い出せないだけなのか、、あの時の気持ちが思い出せない、、確かに愛してたはずだ、、ただ思い出せない、、
なあー?俺のこと嫌いだろ?殺したいだろ?
俺はもう何も感じないんだよね、、
さあー寝よう。最近、車乗ってないな、、